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中山 梓介
JAEA-Conf 2021-001, p.65 - 70, 2022/03
重陽子は陽子と中性子からなる弱束縛系であるため、標的原子核との相互作用を通じて容易に分解し中性子を放出する。この性質を利用して、重陽子加速器を用いた大強度中性子源が理工学や医療分野において提案されている。こうした施設の設計研究には重陽子入射反応に関する高精度かつ広範な核データが必要となる。こうした背景の下、重陽子核データ評価に向け、重陽子の分解過程を考慮した重陽子入射反応用の計算コードDEURACSを開発してきた。DEURACSはこれまでに中性子および質量数4までの軽イオン、ならびに残留核の生成の解析に適用され、成功を収めている。本講演ではこれらの解析結果を示すとともに、重陽子入射反応の精度良い予測のためには分解過程を考慮することがいかに重要であるかを議論する。また、最近、DEURACSを使用してLi, Be, Cに対する入射エネルギー200MeVまでの重陽子核反応データベースJENDL/DEU-2020を開発した。JENDL/DEU-2020の概要を述べるとともに、モンテカルロ計算コードによるシミュレーションを通じて行ったJENDL/DEU-2020の検証結果についても示す。
中山 梓介
核データニュース(インターネット), (120), p.19 - 25, 2018/06
高精度の重陽子核データファイルの作成に向け、重陽子入射反応に特化した計算コードDEURACSの開発を行っている。日本原子力学会2018年春の年会での核データ部会・「シグマ」特別専門委員会の合同セッションにおいてDEURACSの現在までの開発状況や今後の展望等について発表したので、その概説を「核データニュース」誌に寄稿した。これまでの研究から、中性子源評価で重要となる軽核に対する反応やトリチウム発生量評価で重要となる反応をDEURACSで精度良く予測できるようになったこと、また、今後の展望として、中重核に対する核種生成断面積についても精度の良い予測ができるようDEURACS内の理論モデルを改良していく予定であること、等を述べた。
中山 梓介
no journal, ,
重陽子は陽子と中性子が弱く結合した粒子であるため、他の原子核との反応の際に容易に分解し中性子を放出しやすい。この性質を利用し、重陽子加速器を高効率の中性子源として利用することが提案されている。これらの施設の工学的設計には包括的かつ高精度な重陽子核データが要求されるが、現状で唯一利用可能な重陽子核データファイルであるTENDLには実験値と乖離のある値が格納されているのが現状である。こうした状況の下、高精度の重陽子核データファイルの作成に向け、重陽子入射反応に特化した断面積計算コードDEURACSの開発を行っている。発表では、DEURACSの現在までの開発状況や今後の展望等を述べる。